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昨年以来、深刻な治安悪化が続くアフガニスタンで、ついに日本人の犠牲者が出てしまった。
アフガン東部ジャララバード近郊で誘拐された民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」職員、伊藤和也さんが、遺体で発見された。事件は最悪の結末を迎えた。
伊藤さんは5年前から、米や野菜の栽培など、農業指導に取り組んでいた。高い志を抱き、異国の地で汗を流す中、現地住民にも溶け込み、強い信頼関係を築いていた。極めて無念だったろう。
アフガンの旧支配勢力タリバンが事件への関与を認めている。武装勢力を掃討する駐留外国軍兵ばかりでなく、人道支援に尽力する善意の民間人までが、テロの標的となる。現在のアフガン情勢の厳しさを象徴するものだ。
ペシャワール会は昨年末から、治安悪化を踏まえて、日本人スタッフ約20人を順次、帰国させている最中だった。だが、支援活動に区切りをつけるなどの事情から、約半数は滞在を続けていた。
外務省は昨年7月以降、アフガン全土に退避勧告を出しているが、同国内には、国際協力機構(JICA)、NGO関係者ら140人以上がとどまっている。
丸腰の民間人の自衛には限界がある。自爆テロや外国人の誘拐が続くアフガンの現状を踏まえれば、安全を優先して一時出国や帰国を検討する時ではないか。
一方で、日本としては、アフガンの平和と安定を回復する国際社会の共同行動の一翼を担う態勢を堅持する必要がある。
日本は従来、14・5億ドルのアフガン復興支援と、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を実施してきた。経済支援と人的貢献は、いわば「車の両輪」であり、どちらも欠かすべきではない。
復興支援では、道路、空港の整備のほか、元兵士や軍閥の武装解除など治安改善にも力を注いできた。給油活動は、テロリストの移動や武器・麻薬の輸送を監視する多国籍海軍を支援するものだ。
アフガンでは、40か国の部隊が900人超の犠牲者に耐えつつ、治安維持や地域復興活動に従事している。それと比べれば、極めて危険が少ない給油活動さえもやめるようでは、日本に対する国際社会の評価は地に墜(お)ちるだろう。
アフガンを安定させ、テロを撲滅する戦いは、日本にとって決して人ごとではない。来月召集の臨時国会で、給油活動延長のための新テロ対策特別措置法改正案を成立させることは必須の課題だ。
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