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中国発の食品公害事件がアジアに広がり、日本にも飛び火した。 中国で、化学物質メラミンに汚染された粉ミルクで乳幼児が腎臓結石などにかかっている。そして、死者が出た。これが表面化したのが今月11日だった。 それから中国国内では瞬く間に被害が拡大した。世界保健機関(WHO)によると、被害者は5万4000人を超え、1万3000人近くが入院しているという。 これだけでも、とんでもない話だ。しかし、これが周辺の国々にも影響を与えているのだから始末に負えない。 大阪府と高槻市保健所、丸大食品(高槻市)が、丸大が自主回収した食品と、中国で原料に使用した牛乳からメラミンを検出したとそれぞれ発表した。 中国の子会社が、メラミン混入が判明している大手乳製品メーカー「伊利集団」の牛乳を使っていたため、丸大は21日から一部商品の回収を始めていた。 ただ、検出量は少ない。最も濃度が高かった一般向け菓子クリームパンダで、欧州食品安全機関の基準を当てはめると、体重50キロの人が1日約17個を毎日食べ続けても健康に影響ないという。 しかし、いつからメラミン入りを食べさせられていたか分からない。ほかの食品には入っていないのか。気持ち悪く感じて不安を覚えるのはここのところだ。 中国当局の不手際は明らかだろう。当局の緊急調査で、中国の粉ミルクメーカー109社のうち22社の製品からメラミンが検出された。この中には大手も含まれ、一部はバングラデシュやミャンマーなどに輸出されていたという。 この数字は、メラミンを加えて牛乳に含まれるタンパク質を多く見せようとする不正が、程度の差こそあれ、広く行われていたことを示すものではないか。 中国政府はなぜもっと早く事態を察知し、警告を発することができなかったのか。徹底的に検証すべきである。 韓国、シンガポール、インドネシア、ベトナムなどでも中国の乳製品を使用した商品から相次いでメラミンが検出された。もはや中国の国内問題ではない。事実関係を調べて情報公開すべきであり、各国政府も強く求めているだろう。 別のメラミン事件が昨年あった。中国から米国に輸出したペットフードにメラミンが混入され、それを食べた犬や猫が死んだ。メラミンを入れてタンパク質の含有量を増やす手法は前例があった。 日本で起きた汚染米の不正流通事件にも似通っている。きな臭さがあった。だが、どちらも火元をよく確認しなかったため、ぼやが大火事になってしまった。 有害食品が流通し始めると、それを止めるのは難しくなる。消費者も知らずに取り扱った企業も、被害者となり得る。行政による「初期消火」が最も重要だ。 一方、企業もホームページで製品の詳細情報を公開するなど、消費者が選択できるような工夫も重ねていくべきだ。
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