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地域経済の疲弊ぶりが著しい。株価はとうとう八〇〇〇円を割った。景気浮揚の糸口はまだつかめそうもない。肝心の消費意欲が冷え込んでいるのは、経済的要因ばかりでなく、多くの国民が将来にわたり安心できる社会を思い描けないからではないか。年金や医療、介護など社会保障制度に希望を持ててこそ、景気の刺激につながる動きが出てくるはずだ。
昨年度に県内の市町村に寄せられた高齢者への虐待相談や通報が、前年度比18・5パーセント増となった。家族への介護負担が虐待を引き起こす例が多いとされる。高齢化がますます進む中にあっては、誰にとっても切実な問題である。
家族の負担を軽減する介護サービスの現状はどうか。厚生労働省がこのほどまとめた介護サービス事業所の経営調査からは、深刻な実態が浮かび上がる。介護職員の待遇は全産業の平均を大きく下回る。離職率も高い。人手を確保しようと看護師や介護職員の給与を引き上げたことなどが経営を圧迫し、訪問介護など一部を除き、施設、在宅サービスの多くで経営が悪化した。
地域間のばらつきもある。県内の高齢者人口十万人当たりの訪問介護事業所は、平成十九年三月で約六十カ所(全国平均約百四カ所)と、全国最下位となっている。
このため、来年度の介護報酬改定で報酬引き上げを求める声がかつてなく高まっている。人手不足の解消、交通の便の悪い所もカバーする効率的な運営…。介護現場の悩みは一律ではなく、地域性やサービス内容に応じた報酬の重点配分の工夫が同時に求められる。
介護の担い手と並び、医師不足の解消は喫緊の課題だ。都市部と地方の格差が顕著になっており、県内の公立病院では診療科休止などの影響が出ている。県内を研修先に選ぶ医学生の確保は全国最低水準という厳しいデータも突きつけられた。
社会保障制度をめぐっては、ほかにも課題が山積している。
今春から始まった後期高齢者医療制度は、事前の説明不足もあって大きな混乱を招いた。政府は一年をめどに見直しを検討すると説明し、民主党は廃止してすべての医療保険制度を段階的に統合するとしている。
年金記録問題はいまだに収拾の出口が見えない。持続可能な制度設計が求められているのに、改ざん問題が浮上するなど不信が募るばかりである。障害者自立支援法は、負担増にあえぐ障害者や家族、施設から抜本見直しを求める声が上がっている。
いずれも財源問題を抜きにしては語れない。次期政権を争う自民、民主両党が鋭く対立している点でもある。今国会では社会保障財源に関して、小沢一郎民主党代表が「消費税収全額を年金財源とする」とし、麻生太郎首相は「どう安定させるか年末までに結論を得る」と述べている。
追加景気対策で盛んに取りざたされている埋蔵金の活用もいいが、恒久財源について真剣な議論が必要だ。国民の不満や痛みを伴う負担の議論を隠さず、真正面から取り組むべきである。
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