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介護福祉士を養成してきた富山県三高校のうち二校が本年度から養成コースの生徒募集を打ち切ったり、来年度の入学生に受験資格を取得できるカリキュラムを提供しないことを決めた。
社会福祉士・介護福祉士法改正に伴い、高校で介護福祉士の国家試験受験資格取得に必要な授業が大幅に増えるため、生徒への負担が大きくなることや、新たな設備導入が迫られることが理由だ。これでは介護現場の人材難がさらに深刻化する恐れがある。国には負担軽減などの柔軟な対応を望みたい。
法改正により、高校で介護福祉士の国家試験受験資格取得に必要な専門教科の授業時間数が千百九十時間から千八百二十時間に増える。リフト付き浴槽などの設備導入も新たに義務付けられた。来年度以降の入学者に適用される。平成二十四年度からは現在国家試験が免除されている福祉系大学、短大卒業生らも国家試験合格が必要になる。
龍谷富山高校普通科介護福祉コースでは現在、所定の千百九十時間を上回る千六百十時間を確保。週三回程度、七限目の授業を組む。改正法に沿った新カリキュラムを導入した場合は七限授業が週四回程度に増え、生徒は部活動をする余裕がなくなる見通しだ。
その上、これまで明確な定めがなかった校外実習について四百五十五時間設定することが義務付けられた。同校の場合、これまでの三倍近くに増える。一年生がお年寄りとのコミュニケーションを十分に学ばないまま現場に出ることも想定されるという。実習で戸惑い、挫折する生徒も出てくると判断し、新カリキュラムの導入を見送った。
となみ野高校は総合福祉科で介護福祉士を養成してきたが、新たに浴室などを設置することが義務付けられ多額の費用が見込まれることや、生徒への負担増などを理由に新カリキュラムを導入しないことにした。
国は介護に携わる人材の質向上を法改正の狙いとしているが、豊かな人間性が求められる介護福祉士の候補生たちが部活動すらできないことになれば、教育的な観点からの効果も疑問視せざるを得ない。
南砺総合高校井波高校の福祉科は現行のカリキュラムを当面維持する。国は来年度から五年間の暫定措置として、現行の授業時間数のカリキュラムを認め、卒業後に九カ月間福祉施設に勤務すれば国家試験受験資格を得ることができるようにした。
しかし、こうした措置を設けても介護福祉士を養成している全国約二百十校のうち来年度も養成を続けるのは約百六十校にとどまる。暫定措置が廃止された段階で、新カリキュラム導入を見送る学校が出てくる可能性もある。
施設や福祉系大学への人材供給源となっている高校の養成コースが廃止されれば、介護現場の人材難にさらに拍車が掛かり、サービス低下につながりかねない。人材の質向上だけでなく数の確保にも目配りし、学校側が無理なく導入できるカリキュラムにすることを望みたいものだ。
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