知っていましたか?
イタリアの作曲家プッチーニのオペラ「蝶(ちょう)々夫人」は、長崎を舞台に芸者の蝶々さんと米国海軍士官ピンカートンの悲恋を描く。三大オペラの一つとも評されるだけに、イタリアや日本のみならず世界的にも人気が高い。
第二幕で歌われる「ある晴れた日に」はオペラの中でも一、二を争う有名なアリアだ。流麗で哀切の情をたたえた旋律は、米国に帰ったピンカートンが再び戻って来るのだと信じて待ち続ける蝶々さんの思いを見事に表現している。
蝶々さんは生身の人間だから待つしかなかったが、蝶の中には異国まで飛んでいくものもいる。日本を含む東アジアから東南アジアに広く分布する「アサギマダラ」で、半透明の羽に黒や茶色のまだら模様があり、羽を広げた幅は約一〇センチにもなる大型の蝶だ。
そのアサギマダラが日本から中国の本土まで移動していたことが、日本と台湾の研究者らの調査で初めて確認された。約二年前、中国浙江省で見つかったアサギマダラが、石川県輪島市で羽に文字や数字をマーキングされて放たれたものと分かった。距離にして千六百キロというから驚く。
ピンカートンに恋い焦がれる蝶々さんも羽があったらと思ったかもしれないが、それでは物語が台無し。悲恋だからこそプッチーニはオペラ化したのだろう。そのプッチーニが生まれたのはちょうど百五十年前の今日だ。
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