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2009年3月

2009年3月31日 (火)

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 三月は、別れの季節である。  卒業、転勤、退職・・・。  親しかったクラスメートや、職場の同僚との別れ。  桜咲く春らんまんの季節に、ちょっぴりセンチメンタルな気分が加わる。  井伏鱒二の漢詩の名訳を思い出す人も多いだろう。  ハナニアラシノタトヘモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ。  かと思えば、きのうスタートしたものもある。  NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」だ。  徳島の高校生・冨浦智(さと)嗣(し)さんが、ヒロイン・つばさの弟役で出演するというので話題を呼んだ。  第一回を見た。  姉思いの中学生役を初々しく演じていた。  なぜかホッとした。  親でもないのに不思議なものだ。  主題歌は板野町出身のアンジェラ・アキさん「愛の季節」、音楽は小松島市出身のサックス奏者・住友紀人さん。  冨浦さんを含めた県人トリオの活躍は、「つばさ」のあと九月から美波町を舞台に始まる「ウェルかめ」に弾みをつけそうだ。  「つばさ」の舞台・埼玉県川越市では昨年六月、観光課に「つばさ」担当の専任職員三人を配置した。  市を挙げて観光客誘致に取り組んでいる。  高速道路の千円乗り放題もスタートしたことだし、美波町も万全の態勢で臨んでほしい。  それにしても、月日がたつのは早いものだ。  二○○八年度もきょうが最後。  あすから新年度である。  時間にも“つばさ”があるとしか思えない。

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2009年3月30日 (月)

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 高速道路の千円乗り放題に誘われ、多くの人がドライブを楽しんだ土日。  ブロンズの妖怪たちが集まる境港市の水木しげるロードもにぎわった。  「なまけ者になりなさい」。  そんな碑文に思わず目を留めた人もいただろう。  完成したばかりの水木さんの碑に刻まれる。  「ゲゲゲの鬼太郎」などで大人気になった漫画家。  夜も昼もアクセルを踏みっぱなしで仕事をしていた。  ところがかつての戦地ラバウルを再訪し、あくせく働かない人とつきあって人生観が変わった。  後になってまとめたのが「幸福の七カ条」である。  怠け者の勧めのほか「好きの力を信じる」「自分の楽しさを追求すべし」…。  仕事を減らし、妖怪を求めて世界を旅するなど、信条通りの生活を送ってきた。  そうは言っても、とつぶやく人もいるだろう。  イソップ物語のキリギリスのように、仕事を怠けて遊び暮らすなんて。  それどころかアリのように働いても、冬を過ごせるとは限らないのに、いや働く場さえないのに…と。  まあ碑文をそのまま受け取るわけにはいかない。  ではどんなふうに怠けたらいいのだろう。  いくら千円で乗り放題といっても、目いっぱいの遠出計画を立ててぶっ飛ばし、疲れ果てるのではなく、ゆるゆると…。  こんな怠け方もありかもしれない。

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2009年3月29日 (日)

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 男性は約三十二歳、女性は約三十六歳。  アフリカ西部のシエラレオネ共和国の平均寿命だ。  十年近く内戦が続き、産出する質の高いダイヤモンドの利益は戦費になった。  人口百八十万人を数える首都フリータウンの七割の人が家を無くしたといわれるが、とりわけ悲惨なのは、多くの少年たちが反政府軍の兵士となり、銃を取ったことだ。  内戦が終わった今も残虐な行為に加担した後遺症に苦しみ、貧困にさいなまれているという。  魚津市の石川製麺が、新商品のうどんが一袋売れるごとに鉛筆一本をシエラレオネの子どもたちに贈る取り組みを始めたと紹介されていた。  八月までの売り上げから購入費を賄い、十月ごろに従業員が同国の学校を訪れ、贈呈する予定だ。  新商品はこれまでに一万袋売れている。  同社のパート従業員で「シエラレオネの子供を支える会・富山」代表の西本美絵子さんの呼びかけに、社内で協力することになった。  日本ではたかが鉛筆一本かもしれないが、きっとかけがえのないプレゼントであるに違いない。  喜ぶ姿が目に浮かぶ。  兵士体験のある十二歳の少年は戦争で孤児になったが、学校に通っている。  「この国の大統領になりたいんだ!」  「この国から戦争をなくして、平和にするんだよ」と言う(後藤健二著『ダイヤモンドより平和がほしい』)。  夢の実現の一助になって欲しい。

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2009年3月28日 (土)

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 昭和三十六年に発表された永六輔作詞、中村八大作曲の「上を向いて歩こう」は、坂本九さんが歌って、日本をはじめ米国などでミリオン・セラーになった。  九さんには「見上げてごらん夜の星を」もある。  「小さな星の小さな光がささやかな幸せをうたってる」と歌詞は続く。  うれしい時、悲しい時、人はさまざまな思いを胸に、空を見上げるものらしい。  春の宵、自宅へ帰る道すがらふと口ずさみ、瞬く星を眺めていることがある。  その空に、北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げるため発射台にテポドン2号とみられるミサイルを搭載した。  ロケットは日本の領土の上を飛び越えていく。  全く物騒極まりない。  日本領域内に落下する場合の迎撃に備えるため、浜田靖一防衛相がきのう、自衛隊へ破壊措置命令を出した。  気象条件などが良ければ、打ち上げ予告期間の初日、来月四日にも発射させるようだ。  米国をはじめ多くの国々が、推進ロケットは大陸間弾道ミサイルに直結するものであると強く反対しているにもかかわらず、聞く耳を持たない。  自国の人民が食料に窮乏し、貧しい暮らしをしているのに、軍事力の誇示に莫大(ばくだい)な金を費やしている。  地球はこの広い宇宙の小さな星の一つにすぎない。  そこで懸命に生きる人々の「ささやかな幸せ」。  そのつつましい営みを脅かすものを何とか取り払いたいものだ。

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2009年3月27日 (金)

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 寒々しかった景色が、巨大な絵筆で一気に塗ったように桜色に染まっていく。  心浮き立つ季節がやってきた。  岡山市・後楽園東側の旭川河川敷で「二〇〇九岡山さくらカーニバル」がきょう二十七日、開幕した。  日中も良いが、四月五日までの期間中は日没から午後九時までライトアップされ、夜桜が楽しめる。  今年は気温が高めで、各地から開花宣言が聞こえてくる。  岡山地方気象台は二十一日に岡山市で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。  平年より十日、昨年より五日早く、観測史上二番目の早さだ。  花見に人気のソメイヨシノは、開花時期に葉がなく、密集した花が一段と鮮やかに見える。  残念なのは香りがないことと思っていたら「サクラとウメの花の香り」(堀内哲嗣郎著、フレグランスジャーナル社)は「非常に弱いが、香りがします」と書いている。  香りに集中して臭覚を働かせるとわずかだが感じ取ることができるそうだ。  もし、感じられなくても香り成分が空気中に存在するので臭覚は刺激され、その効果で気持ちがうきうきして歌い、踊りたくなるのだと思う、と説明する。  ソメイヨシノ以外に目を向ければ、におい桜もあると記す。  花の時期も「さまざまな品種が一年を通して次々と開花する」というから、桜好きはたまらない。

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2009年3月26日 (木)

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 「合点がいかない、納得がいかないというのが今日の心境でございます」。  民主党の小沢代表が、秘書の起訴について東京地検を批判した。  確かに、検察は大丈夫かと首をかしげたくなるような展開ではある。  しかし小沢氏の説明にも、安心して首相を任せられるといった説得力は感じなかった。  ゼネコンとの癒着は身辺になかったか。  古い自民党のような金権体質を引きずってはいないのか。  疑問は残ったままである。  民主党は政権獲得が目前ともみられてきた。  それは民主党自身の成果というより、麻生首相や「お友達」のつまずき、ふらつきによる影響が大きい。  いわば、敵失によるバブル効果だ。  だから民主党内には、麻生首相が辞めないでほしい、との声が広がっていた。  いま自民党の側から、小沢代表には辞めてほしくない、と本音が漏れる。  「この党首なら国民から信頼されない」と相手の党がほくそ笑むような人物を、二大政党が互いに指導者としている形だ。  何とも無責任な話ではないか。  西松建設の献金については、国会でも十分に追及されていない。  自民党も民主党も、自らの傷口が広がらないよう腰を引いている。  「くさい物にふた」、なれ合いの構造だ。  こうした政治こそ、変えるべきものではなかったか。  数カ月のうちに総選挙がある。  こんな調子で「政権選択」など、できるものか。  合点がいかない、納得がいかない。

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2009年3月25日 (水)

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  作家、司馬遼太郎さんの短編小説に『侍はこわい』がある。   父親を早くに亡くした主人公の奉行所同心が、学問や身辺のことで世話になった与力が暗殺され、敵討ちをしようとする物語だ。   同心は「武士が黙っているわけにはいかぬ」と、下手人が新選組隊士であることを突き止め、殺害しようと計画する。   同心の妻は商家出身のおっとり育ちである。   一途(いちず)で鬼気迫る夫の心をこわがって、未然に計画を壊す。   ところで「こわい」には、「力が強い」「勇ましい」という意味もある。   「侍ジャパン」が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で宿敵でこわい韓国を下し、二大会連続世界一を達成した。   息詰まる接戦の中、勝利を決めたイチロー選手の一振りに日本中が沸いたことだろう。   三年前のWBCでイチロー選手は「ただ勝つのは嫌ですね。見ている人たちに、僕らのプレーは美しくて素晴らしい、と感じてもらいたい。それが僕のポリシーです。向こう三十年間、日本に勝てないと思わせる勝ち方をしたい」と話していた。   しかし、今回も実力が伯仲しそれほど楽なゲームはなかった。   選手一人一人が受けていた重圧は想像に難くない。   それを一丸となってはね返した力強く、勇ましい闘志は素晴らしい。   いまさらながら「侍ジャパン」は「こわい」と世界の野球ファンに思わせたのではないだろうか。

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2009年3月24日 (火)

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  「縄文式土器と弥生式土器はどう違うんだ」。  ロンドン駐在の日本人商社マンが取引先の英国人の夕食に招かれ、突然尋ねられた。  こういう質問に答えられないと「次から呼んでくれないそうです」と数学者の藤原正彦さんは著書の中で書いている。  藤原さん自身もケンブリッジ大学で研究生活を送っていたとき、著名な学者から「夏目漱石の『こころ』の中の先生の自殺と、三島由紀夫の自殺とは何か関係があるのか」と聞かれた。  日本の文学や歴史に関して具体的な質問をぶつけてくるという。  日本人としての教養をきちんと身につけているかどうか。  いくら外国のことに詳しくても、母国のことを知らなければ、知識が偏っているというわけだ。  平成二十五年度から県内の県立高校で日本史・郷土史学習が全生徒を対象に行われる見通しになった。  二十二年度からはモデル校で試行を始めるという。  いま、高校の「地理歴史」では必修になっている世界史のほかに、地理、日本史のいずれかを選んで、学んでいる。  もちろん世界史、地理も大事だ。  しかし、自分が育ってきたバックボーンに無知であっては、郷土愛も育たない。  どの国民からも尊敬してもらえないだろう。  この人は母国の文化や歴史の分からない人だとなれば、会話が弾まなくなってしまい、「商談も進まなくなる」と藤原さんは言っている。

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2009年3月23日 (月)

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 「マッチ・ポンプ」という古い和製語を思い出すのは、何度目になるのか。  マッチで火を付ける一方、ポンプで水をかけて消火する。  つまり、意図的に問題を起こしておいて自分でもみ消すことをいう。  そうすることで、不当な利益などを得ようとするやからをも指す。  北朝鮮が核施設などへの包括的な検証を受け入れる条件として、軽水炉の提供を要求しているそうだ。  またか、である。  制止を振り切って秘密裏に核開発を進め、人工衛星と称する「ロケット」打ち上げを公言するのがマッチならば、今回の要求はポンプなのか。  米国が昨年、北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除したことが脳裏をよぎる。  北朝鮮が核施設からのサンプル採取を含めた核検証を認めたことの引き換えだったが、その後六カ国協議は空転している。  それに味をしめ、ハードルを上げ「瀬戸際外交」を進めようとしているとしか思えない。  麻生太郎首相が先週の参院予算委で北朝鮮が「ロケット」を発射した場合、来月に期限を迎える経済制裁について「さらに強める案を総合的に判断する」と述べた。  拉致問題も未解決とあっては、単独の追加経済制裁は当然だろう。   「マッチ・ポンプ」は、何度も繰り返すと誰も相手にしなくなる。  こと北朝鮮に対しては、毅然(きぜん)とした対応が大事であることは、これまでの交渉ではっきりしている。

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2009年3月22日 (日)

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  ロボットを描いたマンガは数多い。   古いところでは鉄人28号やマジンガーZなどがあるが、鉄腕アトムを除けば大概いかつい顔をしていた。   それが愛きょうを持ち出したのは、ドラえもんあたりだろうか。   そういえば、Drスランプのアラレちゃんもロボットだった。   ロボットは男の子向けとばかり思っていたら、少女マンガにもあった。   渡瀬悠宇さんの『絶対彼氏。』で、人間そっくりに作られた理想の恋人フィギュア(人形)をめぐって、ストーリーが展開する。   テレビでドラマ化もされ、その際は恋人ロボットとなった。   そんな少女マンガやドラマを思い起こさせるような、新型ロボットが登場した。   産業技術総合研究所が開発し先日公開したもので、こちらは若い女性型。   日本人の人体寸法データベースにある平均値を参考に外観を作ったそうで、そのリアルさには驚かされた。   外観だけでなくファッションモデルのような動きも特長で、ほほ笑んだり驚いたりと顔に表情がある。   音声を認識しあらかじめ登録された言葉だけとはいうが、口を動かして受け答えもできる。   エンターテインメント分野などでの利用が考えられているそうだ。   理想を実現させたようなロボットで、技術の進歩には感心させられるが、マンガとは決定的に違うところがある。   心がないのだ。   こればっかりは、技術では解決できない。

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2009年3月21日 (土)

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 「シェーン、カムバック(戻ってきて)、シェーン」。  ジョーイ少年が呼びかける。  主人公のガンマン、シェーンは振り返ることもなく、独りワイオミングの山へと去っていく。  アメリカの西部劇映画の名作「シェーン」のラストシーンである。  シェーンは当初、開拓農民たちから疎まれていたが、次第に互いに心を通わせていく。  そして、農民に弾圧を加える悪徳牧畜業者を自慢の早撃ちで退治する。  ジョーイとの間に友情が芽生え、「行かないで」と必死に引き留める場面は忘れられない。  東京や大阪、名古屋などから県内にUターンし就職する学生や社会人が三年連続で増えているそうだ。  本年度は二月末時点で前年より一・八倍の百十七人となっている。  大学などを卒業し県外に出た若者も二年連続で減少している。  人口流出の歯止めに躍起になっている県の施策が奏功しているのだろう。  東京と富山に県Uターン情報センターを設置して就職相談を行い、首都圏や北信越の大学に企業PRをしている。  県内に大学生を定着させるためにセミナーも開いている。  若者が流出すれば県内からいろんな面で活力が失われ、人口減少に拍車がかかってしまう。  古里で働くということには大いに意味があり、活躍の場所はたくさんあるはずだ。  知恵を絞り、あの手この手の「カムバック」作戦を繰り広げなければいけない。

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2009年3月20日 (金)

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 大阪の道頓堀川で「カーネルおじさん」が先週、24年ぶりに見つかった。  プロ野球阪神がリーグ優勝した際に、興奮したファンが「主砲のバース選手に似ている」と胴上げし、川に投げ込んだいわく付きの人形である。  その後のチームは日本一から遠ざかり、「人形ののろい」とも言われた。  いただけない行為だったが“報い”も受けたことだし、もう時効だろう。  泥の中から浮上した人形を拝むファンもいたそうだ。  優勝を祝う胴上げの光景は米大リーグに見当たらない。  野球のWBC第1回大会では日本の王貞治監督が高々と宙を舞ったが、米国人の目には野球とベースボールの文化の差異に映ったかもしれない。  さかのぼれば江戸時代、年末のすす払いに年男を胴上げする風習があった。  胴上げの意味するところは「足を地面に触れさせず、神聖な状態にあることを示す」と手元の百科事典にある。  神事や祭りに結びつくのも不思議ではない。  新潟では神殿で新郎を放り上げる「婿の胴上げ」や、厄年の男を担ぐ「裸胴上げ」という奇祭がある。  祝意のほか繁栄や厄落としと込められる願いは幅広い。  WBC連覇を狙う日本はきのう強豪キューバを退け、準決勝進出が決まった。  今日は、宿敵韓国と4度目の対決だ。  負ければ1勝3敗となるだけに何とか5分にしなくてはいけなかった。  今日は日本が執念でもぎ取った1勝だと思う。  これで一位通過となり、今度はアメリカと対決だ。  何とか野球の国別対抗戦という祝祭で、再びサムライたちによる歓喜の胴上げを見たい。  ついでに不況という泥の中をさまよう日本経済の厄まで落ちればいいのに。

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2009年3月19日 (木)

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 「多くの方が地雷の問題に関心を持ってくだされば」。  地雷・クラスター爆弾撲滅キャンペーンを展開中の大手スーパー「イオン」のテレビCMでこう呼びかけている。  もうすぐ22歳。  その半分は地雷と向き合ってきた。  小学5年の授業で、義足の長野冬季五輪聖火ランナー、クリス・ムーンさんがモザンビークでの地雷除去活動中に右手足を失ったと知った。  学級で地雷について調べ、募金をスタート。  個人でも趣味を生かし、地雷の怖さや除去方法を漫画「ノーモア地雷」(A4判、30ページ)にまとめた。  学級の募金活動を追っていた地元テレビ局の目に留まり、中学1年でカンボジア取材の機会を得た。  現地ののどかな平原で戯れる子供たちの姿。  「だが、それが地雷と隣り合わせと知り、足が震えた」という。  帰国後、カンボジアでの体験を「ノーモア地雷」に加筆。  滋賀県で03年にあった「地雷をなくそう!全国こどもサミット」で小泉純一郎首相(当時)に手渡した。  今では多くの団体に教材として活用されている。  最近は、不発弾による被害が多く「第2の地雷」とも呼ばれるクラスター爆弾への関心が強まり、昨年は被害の多いラオスを訪ねた。  「子供たちが遊ぶ平原に地雷や爆弾があってはならない」。  就職か進学か、少し悩んでいるが、どの道に進んでも「ノーモア」と訴え続けるそうだ。

略歴】柴田知佐(しばた・ちさ)さん 愛知県岡崎市出身。国際関係学部(3年)で「秩序と平和」を専攻。CMは全国で今月29日まで。21歳。

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2009年3月18日 (水)

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 先週の参院予算委で麻生首相ら主要閣僚が「将来だれに介護してもらうか」を語った。  介護福祉士の処遇改善に関連した質疑だった。  こんな脱線なら、たまにはいいと思う。    母親の介護で知られた舛添厚労相は「プロに」。  与謝野財務相は、夫人に面倒かけられないとして「施設に」。  鳩山総務相は「グループホーム」を挙げた。  麻生さんは「10歳下の妻より健康」とはぐらかしたが、それも麻生流で面白かった。  各閣僚とも妻や子など家族を色濃くにじませながら最後は「施設でプロに」に落ち着いた。  制度を頼りにするのは与党政治家として当然かもしれないが、素直に「妻や子に」と言えない苦衷もあるのかもしれず、これもまた興味深かった。  「想像力」と「リアリズム」は政治家にとって大事な2要素だ。  幸せに満ちた家族の行き着く先に「介護」という厳しい現実がある。  その道がまた難問続きの悪路である。  想像力の働かない政治家に長寿社会は任せられない。  還暦前の健康を理由に「自分の介護は考えたことはない。まだ若いつもり」と答えた塩谷文部科学相は、政治家としても確かにまだ「若い」。

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2009年3月17日 (火)

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 作家の井伏鱒二さんは中国・唐の詩人、于武陵(うぶりょう)の「勧酒」を推敲(すいこう)し和文に訳している。  「この杯を受けてくれ どうぞなみなみつがしておくれ」と始まる。  その後がとりわけ有名だ。  「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」。  「花に嵐」とは桜の花がきれいに咲くと、激しい風が吹いて散らしてしまうことをいう。  よいこと、うまくいきそうなことにはとかく邪魔が入りやすく、この人生、世の中はままならぬものであるというほどの意味だ。  きのう、県内の国公立中学校八十四校で一斉に卒業式が行われた。  「旅立ちの日に」「仰げば尊し」などを歌い、仲の良い友人や先生たちと別れ、慣れ親しんだ学舎(まなびや)を熱い思いで巣立ったことだろう。  そしてきょうは、県立高校入試の合格発表がある。  一陣の風が花びらを揺らす試練の日である。  試練は若人だけではない。  三月は人事異動の季節。  配転や単身赴任など新天地で力量を試される。  人によってその思いは希望に満ちた「三月燦々(さんさん)」ばかりではないだろう。  中国の名言に「才あらば適せざるなし。行けや徒(いたず)らに労することなかれ」がある。  君には才覚がある。  きっとうまくやっていけるよ、思い悩まず、さあ行きたまえと励ましている。  人生の春に吹く嵐に負けてはならない。  新しい出会いがあるはずだ。  試練から目をそらさず、一歩一歩前進していきたい。

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2009年3月16日 (月)

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 政治と金にまつわる不祥事があれこれ出てくるたびに疑問を抱く。  たくさんのお金をいったい何に使っているのだろうか。  毎年の政治資金収支報告書で、政治家の資金団体がどう使っているかの一端が分かる。  有力者ともなると、高級料理店に何十万円、といった支出がいくつも並ぶのは珍しくない。  名目は勉強会だったり交際費だったりする。  議員仲間や後援者との政治活動の一環だという言い分はあるだろう。  しかし、飲み食いの場でどんな活動をしているのか、にわかに理解に苦しむ。  政治にある程度、金がかかるのは確かでも、実は有力な政治家が必要以上に金をかけているのではないだろうか。  いや金をかけたから、有力者になれたのかもしれない。  問題は政治資金の出どころだ。  本来は個人の寄付で賄うのが望ましい。  政治における有権者とは、あくまで個人だからだ。  企業が献金するのは、なにがしかの計算が働いているからだろう。  場合によりそれを隠さねばならずダミーの政治団体をつくって個人献金に見せかける。  西松建設の献金事件はさらに広がって、あっと驚く展開もあるのか。  ドイツ生まれの政治学者カール・フリードリヒは「腐敗の除去は、家の掃除と同じで、一度すれば、もう永久にしなくていいことにはならない」と指摘したが、政界の掃除はいつも検察の手で行われるようだ。  それでは情けないし、ちょっと怖い気もする。

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2009年3月15日 (日)

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 普段ほとんど高速道路を使わないのだが、「どこまで行っても上限千円」と言われると心が揺らぐ。  春めいてきたし、遠出をしようかと。  東京や大阪といった大都市圏は除外されるそうだが、それでも気になる。  割引が適用されるには、ETC車載器が必要とのこと。  以前、高速道で出掛けインターチェンジで料金を払っていたら、隣のレーンをすーっと走り抜けていく車があり、ETCの存在を初めて知った。  その車載器に対する助成制度がスタートし、カー用品店は特需にわいているそうだ。  この際と思い資料を見ると、助成には意外な条件が付いている。  車載器代は、二年以上の分割で払わなければならない。  手続きや金利を考え、ちゅうちょしていたら便利な支払い方法があった。  初回に百円を残してほぼ全額を支払い、残額の百円は二年後に振り込む。  大手カー用品チェーンが、キャンペーンを展開中だ。  深刻な景気後退を踏まえ麻生太郎首相が先日、与党に追加経済対策の検討を指示した。  週明けからは有識者による緊急拡大会合を開き、経済危機脱出に向けたアイデアを各界から吸い上げる考えという。  ETC車載器の支払い方法は、政府が打ち出した政策を民間が使いやすくした好例だろう。  未曾有の経済危機なら、永田町や霞が関であれこれ考えているばかりでなく民間の知恵を広く募ることだ。

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2009年3月14日 (土)

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 中国は前漢の黄霸(こうは)という太守の話だ。  2人の女が幼子を自分の子と太守に訴え出た。  黄霸が部下に子を抱かせて取り合いをさせると、一方はいきなり子をひったくろうとする。  しかし、もう一人は悲しそうにするばかりだ。  あれ、大岡裁きではと思った方、その通りだ。  以前もちょっとふれた中国の「棠陰比事(とういんひじ)」という書物がネタ元で、むろん子の痛がるのを恐れた母が勝訴する。  旧約聖書にも似た話があるから、親子の情は万国同じことを示してもいる。  とりわけ公正さと人情をみごと両立させる「大岡裁き」をこよなく愛した日本人だ。  ならば中学1年の長女を残し両親が帰国することになったフィリピン人のカルデロンさん一家にも、13年間重ねた日本での親子の暮らしを引き裂かないですむ手立てはないかと思わざるをえない。  むろん不法入国した両親を退去させるのを不当とはいえない。  入国管理当局にすれば日本で育った長女のり子さんの残留を認め、両親に面会のための再入国も認める異例の措置こそ「大岡裁き」といいたげだ。  不法滞在を防ぎ、他の退去者と公平を図らねばならぬ立場も分かる。  しかし在留許可を求める市議会の意見書や2万人署名が物語る通り、十数年間は善良な暮らしを重ねてきた一家である。  不法入国に何の責任もない13歳の少女の「私の母国は日本。家族とも離れたくない」との思いを引き裂いては、後世に名裁決と語り伝えられるのは難しいのではないだろうか。  昔も今も人の心の最も柔らかく傷つきやすいところでつながっている親と子である。  どんな峻厳(しゅんげん)な法も制度も、すべてはそこから生まれた人間の営みであることを忘れてほしくない。

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2009年3月13日 (金)

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  カトリックの神父と修道女たちは、発展途上国を支援する多くの民間団体が二の足を踏むような奥地や危険な紛争地にも、分け入っていき貧しい人々を支援する。   それも骨をうずめる覚悟で。実際に病死しても遺骨は現地の墓に入る。   日本には帰らない。   海竜社が刊行した「生きて、生きて、生きて」には、それほどの覚悟を持たないと見ることができないであろう最貧国の現状が記録されている。   内戦が激しさを増し外国人が皆引き揚げても、踏みとどまる。   銃口を突きつけられてもゲリラの捕虜になっても、任地から逃げ出さない。   逃げたら現地の信頼は得られない。   支援活動は信頼関係がないと成り立たないと考える。   どの宣教者も、たまの休暇で日本に帰国し清潔な宿でおいしい食事をしても、原始に近い過酷な暮らしが待つ任地に一刻も早く帰りたいと願うという。   本には現地の状況と活動が記録としてつづられているだけで、救貧活動に胸を張るような文章は見当たらない。   貧しい人々は決して清らかではなく、盗むし、だますし、冷酷だし、ずるい。   犯罪、買売春、汚職に満ちた現実と向き合う日々が描かれる。   宗教に裏打ちされた行為ではあるし、布教活動の一環でもある。   ただ、宗教者の使命感だけでは説明できない何かもある。   昨年末の刊行以降、カトリック教徒以外の読者にもじわじわと浸透し、全国の公立図書館から引き合いがあるという。   効率第一とは無縁の生き方が、読者を引きつけるのだろうか。

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2009年3月12日 (木)

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  「抱いてもいいですか」「何日か前から眠れなかった」。   涙をぬぐいながら話す大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元北朝鮮工作員の表情と言葉には一人の人間、女性としての優しさが表れているように思えた。   「蜂谷真由美」名義の偽造旅券で爆弾を仕掛け、百十五人の乗客の命を奪った事件から二十二年もたつ。   独裁政権下で洗脳されて育ち、訓練をうけたエリート工作員も、己と国家の過ちに気づくには十二分な時間だったろう。   その金元工作員と、昭和五十三年六月に北朝鮮に拉致された田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん、兄の飯塚繁雄さんとの面会が実現した。   金元工作員は田口さんについて「きっと生きている」と述べた。   当時耕一郎さんは一歳半。   会見場でも「八重子さん」と呼んでいた。   わだかまりなく「お母さん」と呼ぶには、離ればなれの期間が長すぎた。   耕一郎さんは田口さんが残した母子手帳とへその緒を大切に持っている。   念願の面会の場にも持って行ったという。   過酷な運命に翻弄(ほんろう)されながらも、親子のきずなを抱きしめているかのようだ。   拉致被害者家族会代表の繁雄さんは「日韓両国が拉致問題に共同で対応し解決へ進めていけるきっかけになった」と話す。   金元工作員が公の場に姿を現したのは十二年ぶりのことだ。   一日も早く家族たちが会える契機になることを願う。

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2009年3月11日 (水)

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  作家の小林信彦さんは平成九年に著した『現代〈死語〉ノート』で、昭和三十一年から約二十年の間に使われなくなった新語や流行語を取り上げ、面白おかしく解説している。   最後の昭和五十一年にあるのが、「記憶にございません」だ。   小林さんによれば、ロッキード事件で国会に呼ばれた小佐野賢治国際興業社主(当時)が証人喚問で使ったのが初めという。   「ノラリクラリと質問をかわし、危なくなると『記憶にございません』という奇妙な日本語で逃げた」と。   聞かれたことにはっきり答えてしまうと、後でそれと違った事実が判明したとき困る。   肯定も否定もせずに「記憶にございません」とあいまいな表現をとっておけば、その場をしのげる。   「死語になって欲しい言葉だが、国会や法廷ではいまだに使われているそうだ」と小林さんは嘆いた。   それから十二年たつが、小林さんの願いも空しく「記憶にございません」は、いまだ健在だ。   西松建設の巨額献金事件をめぐって、「捜査介入」と受け取られかねない発言をしたと報道された政府高官だが、肝心の部分については「記憶にない」を押し通した。   ロッキード事件では、「灰色高官」という言葉もあった。   「クロとは決めつけられないが、シロではない人々」のことで、当時の法相も記者会見で使った。   「死語」が、また復活するかもしれない。

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2009年3月10日 (火)

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 以前、ハワイの真珠湾にあるアリゾナ記念館を訪れたことがある。  昭和十六年十二月八日、旧日本軍の奇襲攻撃によって海中に沈んだ米戦艦アリゾナをまたぐようにして建てられたものだ。  日本人観光客も多く、盛んに記念撮影をしていた。  中に米国人にシャッターを押してほしいと頼み、「ノー」と拒絶されていた。  停泊中の主力艦船が大打撃を受け、約二千四百人もの米国人が死亡している。  「リメンバー・パールハーバー」。  その思いは依然続いているようだった。  天皇、皇后両陛下が七月、カナダ公式訪問の帰途に真珠湾を訪問することで、日米両政府が日程調整に入っていると本紙で報じられた。  真珠湾には今まで現職首相も訪問しておらず、実現すれば、日米開戦から六十八年を経て、戦後の友好関係を象徴する歴史的な訪問となるだろう。  両陛下の平和を希求する思いは強い。  これまでに激戦地・硫黄島を訪れ、両国の戦没者を慰霊し、長崎、広島、沖縄などを訪問してこられた。  戦後六十年にはサイパンのバンザイクリフを訪ねられるなど一貫して「慰霊と鎮魂の旅」を続けておられる。  真珠湾訪問は、核兵器廃絶を掲げているオバマ米大統領の被爆地訪問の地ならしになる可能性もある。  被爆者団体は大統領の初訪問を要請しており、両国民の間に横たわるわだかまりを解くことになれば、と願う。

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2009年3月 9日 (月)

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  伝えられる種々のニュースの真偽がつかみにくい国のことだから、いちいち驚いたりしていたらきりがないが、それでも今回は「アレレ」となった。   朝鮮中央通信が先月下旬、金正日総書記がたばこを吸っている写真を配信した。   たばこ工場を視察したときのものという。   健康悪化が報道されたあとの「回復ぶりをアピールするのが狙い」ともいわれる。   右手で持ったたばこをうまそうにくゆらせている、ように見える。   日本では「きょうも元気だ、たばこがうまい」という言い方があった。   北朝鮮でも同じなのだろうか。   いや、そんなはずはないと思う。   総書記が愛煙家として知られたのは過去の話だ。   禁煙した、と何年も前に聞いた。   再び吸い始めたという話は聞かない。   「たばこは心臓を狙う銃のようなもの」と周辺に話したこともあるやに聞く。   などと考えれば考えるほど分からなくなる。   脇にそれるが、北朝鮮では「たばこ統制法」が施行されている。   なのに「国家ぐるみで偽たばこを密輸出中」(国連薬物犯罪事務所)らしい。   日本の銘柄の偽物は日本以外の東アジアで売られてきた。   偽札とともに外貨獲得の柱とか。   ただでさえ虚実ないまぜなところに「偽○△」が交ざるから、いよいよ分からなくなる。

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2009年3月 8日 (日)

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 主語をぼかした報道が時たまある。  「自民党首脳は…」「政府高官は…」「政府筋によると…」のたぐいだ。  オフレコ扱いの懇談などで得た情報である場合が多い。  情報が独り歩きすると「いったい誰が?」となる。  「政府首脳」発言が非核三原則の見直しと受け取られたことが7年前にあった。  当時の福田康夫官房長官が「名乗り」出て、見直しと取られたのは真意でないと釈明した。  この数日は「政府高官」発言で揺れている。  西松建設の違法献金事件が「自民党議員には波及しない」という趣旨でしゃべった。  東京地検の捜査内容に通じているかのようにも聞こえる。  地検は小沢一郎民主党代表の資金管理団体の会計責任者を逮捕している。  西松建設側から献金が渡ったとされる先には、複数の自民党議員の資金管理団体名があり、返金する動きが慌ただしい。  そんな中での政府高官発言だった。  「いったい誰が?」と当然なる。  名前が出たのが官房副長官で、元警察庁長官とくれば何やら怪しい。  ついでながら「政府首脳」と「政府高官」の違いは、福田氏の当時の肩書と比較すれば分かると思う。  高官発言は民主党が「国策捜査」と批判する中でのことでもあった。  国内最強の捜査機関としての誇りを持つ東京地検特捜部は一連の発言をどう聞いただろう。  オフレコを条件に、自民党側への飛び火を心配する政府首脳・高官がいるかもしれない。

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2009年3月 7日 (土)

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 この時期、市街地を車で走っていると自動車教習車が目につく。  四月の就職に向け、免許取得の追い込み時期に入っているのだろう。  たどたどしい運転だから、余計に目立つのだろうか。  免許を取れば車が欲しくなるもので、例年なら二、三月は自動車販売店の書き入れ時だが、この不況である。  二月の県内新車登録台数(軽自動車と二輪車を除く)は、前年同月比で31パーセントの減少となった。  下落率は二月として過去最大で、台数も最少だという。  軽自動車はどうかとみれば10パーセントの減といい、乗用車に比べればまだ底堅いようだ。  先日発表された二月の全国車名別新車販売台数は、ベストテンのうち六台までが軽自動車だった。  しかも一位から三位までを占めている。  少しでも出費を抑えようと、消費者の財布のひもは固くなっている。  ならば中古車は売れているかといえば、ここにも新車不振の影響が出ている。  新車が売れないと、下取りの車も減る。  買い替えまでの期間が長くなる傾向もあり、下取りに出ても程度が良くなかったりする。  回り回って人気の中古車は品薄になっているそうだ。  もっとも最近の若者は、そんなにも車に関心がないらしい。  かつてはカタログを取り寄せ、目を輝かせて見入る若者が多かったものだが、近ごろあまり見かけない。  三月の新車販売はどうなるのか。  販売店ならずとも心配になる。

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2009年3月 6日 (金)

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  みなさんは自分を支えてくれる何かをお持ちだろうか。   家族や友人は当然のこととして、そのほかに一冊の本、生きがいとなっている趣味。   私は歌なんかもそうだなあと思っている。   歌は何でも聴く。   節操がないと言われそうだが、童謡もクラシックも、フォークも歌謡曲も聴く。   聴いて励まされ、さあまた歩くか、と気持ちを立て直したりしている。   とりわけ思い出の歌のチカラはかなりのものだ。   きっと好評だからだろう、飛行機に乗って音楽チャンネルのイヤホンをつけると、昭和歌謡が聞こえてくる。   旅の空、一緒にその時代に帰って、ぼくはしみじみとなる。   このしみじみがいい。   亡くなった友人がカラオケで歌っていたなあ。   そんな思いにつかまると、人生のテープがにわかに巻き戻されて、友達とのひとコマ、ひとコマが浮かんでくる。   そして思いがけず友から「元気でいろよ」と声をかけられ、生きていく力をもらったりする。   しみじみの働きだろう。  昨年は昭和歌謡を代表する歌手のフランク永井さんと作曲家の遠藤実さんが亡くなり、2人の歌がよく流れた。♪あなたを待てば雨が降る……「有楽町で逢(あ)いましょう」を聴くと、その時代のウブさが何ともいとおしく感じられる。遠藤さんの作った「高校三年生」はぼくと同時代の歌だから、今も同窓会があると「次は第2校歌斉唱」という幹事のひと声で♪あーあああー高校三年生~と歌いながらみんなと肩を組む。  最近は童謡・唱歌のCDを買ってきて、寝床で聴いている。「朧月夜(おぼろづきよ)」「故郷(ふるさと)」「赤とんぼ」……歌詞の情景と田舎の風景が重なってただただ懐かしい。  歌とともにある懐かしさは、単なる追体験ではない。胸に触れてきて、さらに人間の奥深いところにある心魂を包み込む感情だ。歌はそこまで届くのである。  さて、そうして昔に戻ったぼくがふと目にするのは、自分の後ろ姿である。とぼとぼ歩いている姿で、足取りも頼りない。「おい、大丈夫か」と声をかけたいほどだ。  しかし曲がりなりにも無事歩いてこられたから今があるのだと思うと、ま、何とか頑張ってきたじゃないか、とそれなりの達成感や幸福感を覚える。  今日のように先の見えにくい時代になると、歌がくれるそうした思いは、なおさら貴重に思えてくる。

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2009年3月 5日 (木)

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  「首相にふさわしい人物」を尋ねる世論調査で民主党代表が現首相を大きく上回るようになっていた。   その人が疑惑の目で見られる展開になろうとは、政界はなるほど一寸先は何とやら、である。   小沢一郎民主党代表の公設秘書(資金管理団体の会計責任者)が東京地検特捜部に逮捕された。   西松建設から多額の違法献金を受けた、という容疑だ。   秘書は否認している。   潔白を主張する小沢氏の記者会見は約40分に及んだ。   政権交代が現実味を帯びるなか、多くの国民は民主党代表の「国家再生策」を聞きたいと思っていた。   なのに国が直面する問題ではなく自身に降りかかった問題についての説明を聞かされるとは…。   思えば、代表就任時や再任時は別にして、小沢氏が記者会見で縷々(るる)語ったのは一昨年秋に大連立が急きょ浮上、破たんした際の「辞任表明→撤回」以来ではないか。   そんな巡り合わせになっているのだろうか。   大連立と辞任騒動のときのことを、民主党の幹部の1人は最近のテレビ番組で「まるで雲の上から『連立だ』『辞めた』と言われたようだった」と回想していたという。   雲といえば小沢氏は漫画「浮浪(はぐれ)雲」の愛読者だ。   民主党が有権者からはぐれてしまうことを党幹部は恐れている。   敵失に乗じる機会を逸することを恐れる空気が政権党内には当然出る。   総選挙がいつ行われるにしろ、どちらがましか、の選択になってしまうことを一番恐れる。 にほんブログ村 健康ブログへ にほんブログ村 健康ブログ 心と体へ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代の生き方へ ブログランキング・にほんブログ村へ

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2009年3月 4日 (水)

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  あげると言われたものがある。   素直にもらっていいのか。   人は昔から迷った。   中国の先人の知恵は、参考になりそうだ。   もらうべきだという句が「史記」にある。   〈天が与えるものを受け取らなければかえってとがめを受ける〉。   逆に疑問を示したのは「菜根譚(さいこんたん)」だ。   〈理由のない授かりものは、天が人を釣り上げる甘い餌か、人の世の落とし穴だ〉。   双方に一理ある。   麻生首相は定額給付金を受け取ることに決めた。   さもしいとか矜持(きょうじ)とかの話は、聞き飽きているだろうからここでは言わない。   「自民党としてみんなで受け取ろうという提案があった」、だから受け取るという説明だ。   首相は、よく似た発言を先日もしていた。   郵政民営化に賛成ではなかったと述べた時だ。   「内閣の一員として最終的には賛成した」。   今回も、みんなが決めたから、と本音を封印したような印象を受ける。   政府はきのう、すべての閣僚が給付金を受け取るとわざわざ申し合わせた。      提案から四カ月もたって内閣の中がやっとまとまる。   経済危機のただ中なのに、こんな調子が続いていること自体が、もはや政治空白だろ。

う。  

 給付金をどうするか、今度は国民が選択する番だ。

 甘い餌だ、落とし穴だと警句を思い出しながら受け取る。

 「狙いをわかっていれば構わない」という選択も、現代風で面白いのではないか。

 先人の知恵にも負けないたくましさがある。

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2009年3月 3日 (火)

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 幸福は、どこか遠いところではなく、あなたのすぐそばにある。  メーテルリンクが『青い鳥』でそう呼び掛けてから百年ほどたつが、人は今でも、大切なものはありふれていない、と思い込みがちだ。  この夏で他界して五年になる作家の中島らもさんは、アルコール性肝炎でずいぶん苦しんだ。  精神状態も、かなり追い込まれたことがあったという。  そんなころの話を『ポケットが一杯だった頃』の中で語っている。  ものすごくしんどくて、もう駄目なんじゃないかと思ったとき、焼き芋屋が通った。  「やきいもーやきいも、ほっかほかのーやきいもー」と。  そしたら急におかしくなって笑ってしまった。  人がこんなに苦しんでいるのに、なにが焼き芋やと。  でも、それでふっと救われたそうだ。  煮えたぎったお湯に注ぐ差し水みたいに、高まった焦燥をすっと和らげてくれるもの。  それが映画のような劇的な出来事でなく、「やきいもー」だったりするのが、作り物でない人生の妙味だろう。  中島さんはこれを呼んで「その日の天使」と。  そうやって一日一日必ず天使がいるんです。  それに気づけば、その日が生きられる。  身近にありふれたことだから、どんな「天使」かは重要ではない。  タイミングよく来たバスでも、会議中の誰かの放屁(ほうひ)でも、父親の寒いギャグでもいい。  自分で見いだせれば、多分、それが「天使」ではないだろうか。 にほんブログ村 健康ブログへ にほんブログ村 健康ブログ 心と体へ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代の生き方へ ブログランキング・にほんブログ村へ

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2009年3月 2日 (月)

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  携帯電話が普及し始めたころ、街角の電話ボックスに入って通話している人を見かけた。   携帯を自慢しているようで、キザなヤツ、と思った。   でも、あれはいやみではなく、実は正しいマナーだった。   人込みで大声を上げたり、すれ違う人とぶつかる寸前まで携帯を離さぬ人より、数段礼儀正しい。   文科省の調査では、高校2年で92%、小学生6年でも24%という携帯所有率である。   電話ボックスが乏しくなったせいではなかろうが、人目をはばからぬ携帯族が目立つ。   通勤バスで、化粧する女性も目にする。   揺れる車内で手際よく塗りたくる姿に、あきれもし、感心もする。   車内は時折、混雑する。   座れなかったら、彼女はどんな顔で出勤するのだろうと、いらぬ心配までしてしまう。   携帯や化粧品のせいでは、決してない。   便利な道具を使うマナーと、人目をはばかるという美徳が急激に薄れているように思える。   もうろう会見が批判され、「入院しながら職務に励む」と言った揚げ句にクビになった大臣がいた。   そんな「ながら」ができるものか、と誰もが笑ったが、似たような「ながら」は街にあふれる。   前大臣を笑えぬ人もいると思う。 にほんブログ村 健康ブログへ にほんブログ村 健康ブログ 心と体へ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代の生き方へ ブログランキング・にほんブログ村へ

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2009年3月 1日 (日)

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  交通事故に遭い入院した祖母に、遠方にいる孫二人が見舞いの手紙を書いてよこした。   それぞれ便せんに三枚ほどだったという。知人から聞いた話である。   孫たちは小さいころから年賀状は別にして、手紙やはがきは書いたことがほとんどない。   連絡や頼み事はみんな携帯電話で済ませているが、大けがを負った祖母のことを思って、文章をつづったそうだ。   祖母は何度も読み返して、枕元にずっと置いていたという。   県教委が新年度から「とやまっ子一万人 いのちのメッセージ発信事業」を行う。   産婦人科医や妊婦、障害を克服しスポーツや芸術で活躍する人たちが「いのちの先生」になる授業をいま小中学校で行っているが、これを一歩進めて児童、生徒がその感想などを父母や友人、地域の人にはがきで伝えようというものだ。   生命の尊さを知ることで、いじめや不登校を未然に防ごうという取り組みは大いに結構なことだ。   わけても、はがきを書くというのがいい。   感じたことをもう一度自分で整理して文章にする。   「自分に向き合う時間が生まれると思います」と担当者は話す。   子どもたちからはがきが届いたら、その内容を話題にして大いに語り合ったらいい。   子どもの関心や環境を大人が知るよい機会にもなるし、思いのこもった文面は仮にたどたどしくても、きっとかけがえのない宝物になると思う。 にほんブログ村 健康ブログへ にほんブログ村 健康ブログ 心と体へ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代の生き方へ ブログランキング・にほんブログ村へ

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