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「子育てと仕事の両立」に向け、短時間勤務制度の導入などを企業に義務付けることを柱にした改正育児・介護休業法が国会で成立した。 一部を除いて、1年以内に施行されることになった。 少子化に歯止めがかからないなかで、男女ともに子育てをしながら働き続けられる環境の整備は重要な課題であり、今回の改正を前向きにとらえたい。 厚生労働省によると、働く女性の育児休業取得率は高いものの、育児の負担が重く、結局は約7割が第1子を出産した後に離職している。 このため、離職しないで済むよう、職場復帰後は短時間勤務や残業免除を求める声が強いという。 一方、男性は約3割が育児休業を取りたいと考えながら、実際の取得率はわずか1・56%だ。 男性が子育てや家事に費やす時間は先進国のなかでも最低レベルにある。 結果的に女性に子育てや家事の負荷が過度にかかり、少子化の原因になっている、と厚労省は分析する。 改正法は、3歳未満の子どもを持つ従業員を対象に、通常より短い1日6時間程度の短時間勤務や希望による残業免除を制度化するよう企業に義務付けた。 また、配偶者が働いていない場合、育児休業の対象外にできる規定を廃止し、すべての従業員が必要に応じ育児休業の取得を可能にした。 小学校就学前の子どもの看護休暇も現行の一律年5日から、2人以上なら年10日に増やしている。 「三つ子の魂百まで」と言う。 勤労者世帯の過半数が共働き世帯となるなか、子どものためにも幼い時期に親子で過ごす時間を増やすことが不可欠だ。 しかし、こうした制度が企業に根付くには課題もある。 「法律が変わっても、社会全体の意識が変わらなければ…」。 出産を機に離職し、8カ月になる長男の子育てに忙しい主婦は、こう本音を漏らした。 とりわけ、父親の育児参加には懐疑的で「週1回のノー残業デーもなかなか実行できない。土日の出勤も多い。上司や同僚の理解がなければ父親が育児休業を取るのは不可能」と嘆く。 改正では、違法行為に対する厚労相勧告に従わない企業名の公表など制裁措置も初めて盛り込まれた。 育児休業を理由に解雇するいわゆる「育休切り」対策も強化されたが、昨秋以来の世界的不況のなか、企業も生き残りに懸命だ。 人のやりくりを含め、負担を受け入れる企業への助成策も考える必要がある。 このまま少子化が進めば、経済活動を支える勤労者や消費者は減り続けていく。 さらに、子育てが十分にできなければ子どもの成長にも影響するだろう。 長い目で見れば、社会が大きな損失を被ることになるのは明らかだ。 いまも昔も、子どもは社会や地域の「宝」である。 子育ては親だけが担うものではないと思う。 「宝」を社会全体で育てる意識を高めることが必要だ。今 回の法改正を、その一つの契機にしたい。
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